無愛想な彼に恋しました


顔を覗きこもうとする彼からパッと顔を逸らす。


泣き顔なんて見られたくない…。


「大丈夫だって…。ほら、早く持って行こう?」


急かす様に資料を集めて立ち上がる私の手首を荒城君が掴んで離そうとはしなかった。


「荒城君…?」


「それじゃ、何であんた泣いてんの?」


「っ…」


荒城君だから気付いていないと思った


彼だから、そんなこと気付いても気にしないと思った。


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