無愛想な彼に恋しました


「輝君……」


喫茶店の出口に輝君が立っていたから。


走ってきたのだろう、すこし息が上がっていた。


「琴音」


輝君の手が私の方へと触れようと、伸びてくる。


「い、いや……」


私はその手を振り払ってしまった。


輝君の事が嫌いになったわけじゃない。


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