無愛想な彼に恋しました


「先輩…」


琴音が、俺の事を“先輩”と呼ぶ。


たったそれだけなのに、俺の胸は針に貫かれたかのように痛む。


あいつの事は、名字で呼ぶのに俺の事は名字ですら呼ばない。


あいつの事が、羨ましくなった。


…何で、琴音が好きなのが俺じゃないんだ。



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