無愛想な彼に恋しました
「……」
「……」
あの時のようにお互い何も話さないままただ歩いているだけのこの光景。
歩いてると言っても荒城君が私の後ろを歩いているという感じの歩き方。
この微妙な空気が耐えきれない…!!
そんな空気の中やっとの思いで私の家についた。
ともかく早くこの空気から脱出したかった私はばっと勢いよく荒城君が持っている材料を受け取る。
受け取ると言うか…奪い取ったと言った方があってるかもしれないんだけど。
荒城君が持っている荷物は何もないはずなんだけど荒城君はそこに立ったままだった。