無愛想な彼に恋しました
「荒城君?」
彼の顔を覗きこむと荒城君の視線はある一点を見つめていた。
ただじーっと…じーっと私の家の庭を見ていた。
ガサガサっと草が揺れたかと思うと
「にゃー…」
と泣きながら猫が出てきた。
「あ、ことね」
「あの猫知ってんの?」
「知ってるも何もあれはうちで飼ってることね」
小さい頃公園に捨てられているのをたまたま拾ってきた猫。
名前が思いつかなかったから自分と同じ名前を付けた。