ワ ル イ オ ン ナ

「面白そうな本がないか、色々見てくるね」

「あぁ、分かった」


勉強してる知哉を残し、ある場所へ向かう。

そこは古臭い辞書がたくさんあって、滅多に人が来ない場所。


「沙耶」


そう呼ぶ司書をしてるヒロだからこそ分かる、絶好の場所。


「バレてない?」

「もちろん」


見つめ合ったまま、ヒロの肩に手を乗せる。

私の腰に腕を巻き付けて引き寄せると、熱い吐息が漏れるキスが始まる。

上手すぎて、夢中になるキスが。


「ンンッ……んぅ」

「エロい声。ほんと沙耶はキスが好きだな。
彼氏は知ってんの? 純粋そうな顔して、ほんとはエロいことが大好きな悪いオンナだって 」
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