【あなたと私で創るものがたり】
*ご近所ファイト/コメディ
日本の、とある都心に近い住宅街──近くには小さな山があり、夏には涼しさを運んでくれる。
小鳥のさえずりが、朝の清々しい空気に彩りを添えていた。
晴天の空を仰ぐ人影──馬場 雪菜(ばば ゆき)な──は唇の端に笑みを刻んだ。
「ふふふ……今日は何か素敵な予感」
27歳、既婚の彼女は夫を見送り心のアンテナを広げる。
可愛く束ねられたポニーテールをいじり、お出かけの準備をするため家に入っていった。