【あなたと私で創るものがたり】
「あらぁ~大きいわね」

「とぅ!」

 3人の間から黒い影が蜂の巣に向かって飛び、巣が公園の中にはじき飛ばされた──

「!?」

 驚く一同の目に、空手の構えで立っている1人の女性が映る。

 兎崎 麻衣(とざき まい)だ。

「ちょっ!? おまっ! 何してんだよ!」

「だってなんとかしなくちゃ……」

「ああああああ!?」

 少年が公園の中を指差すと、蜂の巣から大量の蜂がわんわんと出てきていた。

「あら?」

 予想に反した状態に、麻衣は半笑いでそれを見やる。

 蜂の巣は公園の中心まで飛ばされたせいか、蜂は敵が見つからず辺りをうろうろとしているだけのようだ。

 それにホッとしたが、蜂の巣自体をどうにかしなくてはならない。

「普通に業者に頼めばいいんじゃない?」

 雪菜の提案に一同は「それもそうだ」と納得した。
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