【あなたと私で創るものがたり】
 つきあい始めたのは去年の冬くらいだ。

 彼女から告白してきた。

──にも関わらず、彼女から振ってくるなんて僕は最後まで振り回されて終わった。

 きっと僕にどこか悪い部分があったのかもしれない。

 だけど、

「結局は相性じゃないか」

 かすれた声でつぶやく。

 高校を卒業したご褒美がこれじゃあ報われない。

 就職先だって決まっていて、初任給が出たら彼女に美味しいものでも食べてもらおうと考えていた。
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