【あなたと私で創るものがたり】
 お母さんは病気だったって飼い主さんが言ってた。

 ぼくを抱いてぐったりしているのを外で見つけたときは、もうだめだったって。

 おかあさんは死んだけど、ぼくを世話してくれる人が見つかったから寂しくなんかなかった。

 それからぼくは、じーちゃんがいつ来てもいいように、えさを少しだけ残すことにした。

 ぜったいに戻ってくるもん。

 じーちゃんは仙人なんだから。

「じーちゃん……」

「なにを鳴いておるんじゃ」

「じーちゃん!」

 じーちゃんは半透明になって戻ってきた。






 終わり



 2015/09/07
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