【あなたと私で創るものがたり】
*にゃんの3


「さて、そろそろあやつの様子でも見てくるかの」

 じーちゃんは立ち上がって──ハムスターが立ち上がるとかわけわかんないけど、気を取り直すように後ろ足で立った。

「うん、いってらっしゃい」

 僕は消えていくじーちゃんを見送って、また窓の外を眺めた。

 雨はさっきよりも弱くなったけど、太陽も傾いてきたのか外は薄暗かった。

 目の前の道路にいる女の幽霊さんは、相変わらず通り過ぎる車を見つめてる。

 そういえば、穏やかな顔をしている気がする。

 だけど、左の十字路は晴れた真昼でもかすんで見える。

 雨で曇っている今日なんて、あそこに雨雲があるんじゃないかと思うくらいだ。

 明日は晴れてくれるかな……。

 僕はそんなことを思いながらふと、お地蔵さまの方を向いた。
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