【あなたと私で創るものがたり】
「ルークス!」

 ごめんなさい。

 今は──

「じーちゃん!」

 助けなきゃ──!

 僕は、お地蔵さまが割れるのを見ながら、まっくろい塊に威嚇して噛みついた。

「ルークス!? だめじゃ!」

 じーちゃんの声が聞こえた瞬間、僕の体は何かにぶつかってすごく痛かった。

 宙に浮いて道路に落ちたのに、そのときは痛くなかった。

「ルークス!?」

 じーちゃんの飼い主さんが僕に気がついて抱きかかえてくれた。

 でも、僕はどうしてだかすごく眠くて、じーちゃんの声が遠くなってった。






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