隣に座っていいですか?

桜の為にか?
いや自分の為に?

どうしてもあの家に惹かれ
調べてみると
あの豪邸は空家である事実を知ったけど、なんせ貧乏翻訳家。

困っていると
様子を察したのか

僕の事は大嫌いだけど
桜の事が可愛い妻の両親が、桜から豪邸の話を聞き。

『桜に……』と
ポンと豪邸を買ってくれた。

妻の父親は都内で貸しビルを何件か経営しており、かなりの資産家だ。


いつもなら
絶対受け取らない


けど

僕はその時

『ありがとうございます』そう返事をし、桜と一緒に次の春……ここへ引っ越す事になる。



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