隣に座っていいですか?
再婚の話が出ていた。
再婚なんて
考えた事もなかったけれど
桜が母親を恋しがっているのは
あの熱を出した夜、はっきり理解した。
必死で彼女にしがみつく桜
僕と彼女では
彼女の負担が多すぎる
いや
彼の存在がなければ
自分は
もしかしたら
数少ない可能性にかけて
行動したかもしれないけれど
堂々と結婚宣言されたら
もう
僕の出る幕はない。
だから
彼女の幸せを願って
僕も
落ち着こうと心に決めた。
どんなに好きでも
どんなに心惹かれても
あきらめようと……。