隣に座っていいですか?

お互い
少し酔っている。

キスが止まらない
甘いワインの香りが
混ざり合い絡み合う。

「お酒の力ですか?」
ふと聞くと

「そうです」
悪びれもなく言われた。

キス
キス
キス……キスの雨。

徐々に荒くなり
息が乱れ

小さなベンチに
押し倒された。

夜空と私の間に
端整な顔が入る。

彼はジッと私を見下ろし
唇を噛み

私は黙ってそれを見上げる。

このまま
抱いて
抱かれて

いいのだろうか。

アルコールに侵されてない一部の脳内で、お互いの危険信号が遠くで鳴っていた。


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