隣に座っていいですか?
「家族になって下さい」
バラの花束が
香りと共に胸元に届く。
「桜に母親が必要とか……そんなんじゃないけど、いや……それもあるけれど、その前に僕自身が貴女を必要としている」
いつも穏やかで優しい人が
真剣な顔で一生懸命、言葉を伝えていた。
「郁美さんと一緒に歩きたい」
私はその言葉で膝が崩れ
近くにあった椅子に座り
綺麗な花束で涙を隠す。
「いくちゃん」
そっと傍に来て
桜ちゃんは私の顔を探し
「さくらがいやですか?」
寂しそうな声を出し
とんでもない発言をするので
私は慌てて
「大好きだよ」と
大きな声で否定すると、桜ちゃんは笑顔を見せて田辺さんのスーツを引っ張り
「さくらのお父さんはいやですか?」
って言われて
そう
言われて
「大好きです」って
小さな小さな声で返事をする。
大好きです
田辺さんが大好きです。
こんなにも
こんなにも
桜ちゃんと田辺さんが
大好きです。
バラの花束が
香りと共に胸元に届く。
「桜に母親が必要とか……そんなんじゃないけど、いや……それもあるけれど、その前に僕自身が貴女を必要としている」
いつも穏やかで優しい人が
真剣な顔で一生懸命、言葉を伝えていた。
「郁美さんと一緒に歩きたい」
私はその言葉で膝が崩れ
近くにあった椅子に座り
綺麗な花束で涙を隠す。
「いくちゃん」
そっと傍に来て
桜ちゃんは私の顔を探し
「さくらがいやですか?」
寂しそうな声を出し
とんでもない発言をするので
私は慌てて
「大好きだよ」と
大きな声で否定すると、桜ちゃんは笑顔を見せて田辺さんのスーツを引っ張り
「さくらのお父さんはいやですか?」
って言われて
そう
言われて
「大好きです」って
小さな小さな声で返事をする。
大好きです
田辺さんが大好きです。
こんなにも
こんなにも
桜ちゃんと田辺さんが
大好きです。