わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
「はじめまして、よろしくお願いします」

と拍子抜けするほど丁寧なあいさつ。

わたしも、お辞儀をして返す。

「わたしは現世でいう裁判官みたいなものです。簡単にいうと死んだ人間の道を裁くってことです」

なら、ここはまだ天国ではないんだ。

今から、わたしの道が決まるってこと
…か。

「名前は…もう遠い過去で忘れました。ここでは、みんなわたしをJと呼んでいますから、そう呼 んでください」

「ジェイ、さん…ですか」

「はい、ジョーカーのJ。何人か裁判官がいますがその中で 一番、厳しいみたいでして…きっと運悪くわたしに裁かれた誰かが皮肉ってそう呼んだのが広まったんでしょう」
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