わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
潜む悪
強い口調で訊き返す、わたし。

「あんな小さな女の子をどうして?」

「理由は簡単、両親を殺したからですよ」

またまた思いがけない応え。

わたしは敵意をこめながら、

「はぁ? あんな小さな女の子が、大人を殺せるわけないでしょ!?」

完全に素に戻った口調で言い返す。

「おっしゃる通り。たしかに現世での扱いは事故で した」

「…事故?」

「ライターで遊んでたら、火がついて燃え広がって 家はほぼ全焼。彼女は煙をあまり吸い込まず、一命を取りとめましたが…間もなく死亡。そして、ここに来たわけです」

「事故なのに、どうして地獄なのよ!」
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