わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
わたしは、首を傾ける。

「ありえない話ではないでしょう。あなたの優しい気持ちが、その人に届いたなら善が悪に勝る可能性はありますよ」

「だとしたら、あの人はわたしを天国から見守ってくれていた、と?」

「さっきの少女と、ちょうど逆の例ってことでしょうかね」

あの女の子にはまだ悪があった。

だから、地獄に行ってしまった。

彼はその悪に打ち勝った。

だから天国に行き…

わたしを見ていてくれた。

「なら、わたしの考えは間違ってなかったんですね …よかった」

仮面が少しだけ、頷いたように見えた。
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