わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
独り言
部屋を出ていく彼女の後ろ姿。

その姿を裁判官Jは椅子に座ったまま、じっと見ていた。

ロボットと言っていた仮面の下には…

涙が潤んでいた。

「あの頃とちっとも変わってなかったな」

影になって追いかけた彼女の後ろ姿。

あの思い出は今も鮮やかに思い出せる。

Jは独り言のようにささやいた。

「ちゃんと最期までおまえを見守ったからな。あとは天国でゆっくりしたらいい。おれのやるべきことは、これですべて終わったよ」

仮面の向こうで、ふっと軽く息をついたとき…

「お疲れさまー」

後ろから声がした。
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