わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
「う、うん、たぶんそうだと思うよ」

少しあいまいに返事をすると、少女はにっこりと、

「なら、お父さんお母さんにもうすぐ会えるんだ」

と応える。

何があったのかは、知らないけど… きっと辛い過去を背負ってきたんだね。

まだ、こんな小さな子供なのに。


わたしも…

たしかに辛いこともあった。
これだけ、生きてきたんだもん。


何より…

こんなに長い人生を生きたのに結局、

高校の時の彼のことを忘れられなかった。

いや、

忘れたらダメだと思う自分がいた。

これが正直な気持ち、だろう。
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