よびすて。
いつもだったら寝ていた。
今日だってさっきまで寝ていたんだ。
校長の長い話、生徒会長挨拶どれもつまらない。

ぱっと目を覚ました。
隣を見るとカオリは毎度のごとく爆睡中。
ステージ上を見ると新しく来た先生の紹介だった。
(まだこれかぁ..)

ぱっとステージにいる先生に目を向ける。
「えっ..」
一瞬どきっとした。
目が合った瞬間に。

「吉田優斗先生。お願いします。」

紹介された『吉田優斗』さっき目が合ってしまった人だ。
未だに目が離せない。

「はい。」

爽やかな返事とともにステージの中央に歩いてくる。

「教師になって初めて教えることになったのが僕の母校、緑川高校でうれしく思っています。まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします。担当教科は理科で2年生を教えます。2-Dの副担になりました。」

(今、2-Dって..)

そう、今この『吉田優斗』が言った2-Dは私のクラスだ。

「ユキどーした??」

カオリが眠そうに眼をこすりながら聞いてきた。
きっとさっきの私の一言で起こしてしまったんだろう。

「起こしちゃった⁇ごめん!!」

謝っているけれども頭の中ではずっとさっきの『吉田優斗』気になっている。





「キ..。ユ..キ。ユキ!!」
「えっ??」

何度も呼んでくれていたみたいだ。

「さっきからどーしたの??ホント大丈夫⁇」
「あ..うん。」
「そっか。教室もどろ⁇終わったよ?」

いつの間にか始業式は終わっていた。
そんなにも考えていたのか..





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