先生と教官室3~沢山の初めて~
俺の声に、先程と同じように少しだけ身体が反応する。
この手で起きないとは……これは相当深い眠りだな。
うーん、どうするかね。
もう一回同じようにやってもいいけど、何かそれじゃ面白味がないな。
「いおー、起きろよー。」
「ん―――……。」
囁いても、身体を揺すっても起きない、か。
よーし、もうこうなったら最後の手段を使うしかない。
伊緒、お前が起きないのが悪いんだからな。
気持ちよさそうに眠っている伊緒の頬に、もう一度手を添える。
そして、今度は耳ではなく唇へと顔を近づけていく。
ゆっくりと、でも確実に伊緒との距離を縮める。
伊緒、目開けたらどんな反応するのかな。
驚く?
照れる?
いや、寝込みにキスされてるって解ったら、怒るかもしれないな…。