先生と教官室3~沢山の初めて~
先生が一生懸命普通に接してくれようとしているのは解っている。
私が恥ずかしがらないようにしてくれているのも全部解っている。
でも、どれだけ恥ずかしくても今この気持ちを伝えたい。
どうしても今じゃなきゃ駄目な気がするから…。
投げ出された先生の身体に覆いかぶさるようにし、先生の顔を見下ろす。
すると、不思議そうにしている先生の目と視線がぶつかった。
「先生……今まで、いっぱい我慢してくれてありがとう。待っていてくれてありがとう。優しくしてくれてありがとう。大切にしてくれて、あり、がとう…っく。好きって言ってくれ、て、想ってくれて、ありがとう。先生のものに、してくれて…ありが、とう。」
先生に気持ちを伝えていると、大粒の涙が次々に溢れてくる。
頬を伝って流れ落ちる涙は、ポタポタと先生の頬へと落ちていく。
「今まで、ずっと、子供でごめんなさい。これからちゃんと、先生に似合う大人になるから、だから…っっずっと、先生のもので、いさせて下さい…っっ」
本当はもっと笑いながら伝えるはずだったのに。
何でだろう、自分の気持ちに素直になろうとすると涙が溢れて止まらなくなる。
誰かを想う気持ちや、それを伝えるのって、どうしてこんなにも難しいんだろう。
ねぇ、先生。
私の気持ちはちゃんと先生に届いてる?