先生と教官室3~沢山の初めて~
「ばか伊緒。」
「へ?」
覆いかぶさっていたはずの身体が、一瞬の隙にベッドの上へと移動させられる。
何が起きたか解らないまま視線を正面に戻すと、そこには昨夜のように先生の姿が視界いっぱいに広がっていた。
「わざと朝御飯の話題に変えたのに…お前ってやつは…。」
「…すみません、今伝えなきゃと思って…。」
えへへ、と笑う私のおでこに、先生は華麗なデコピンをくらわせる。
そして、そのままデコピンをした手を顔に持っていき、口元を隠した。
あ、この仕草、先生が照れている時にするやつだ…。
もしかして、私の言葉に少しはドキドキしてくれたのかな?
「先生、好き。」
「……知ってる。」
「大好き。」
「それも知ってる。」
「じゃぁ……」
「あ――っっもううるさい、黙れ。」
珍しく私の言葉に照れが限界に達したのか、先生は私の口を塞ぐようにキスをした。
それからしばらくの間ベッドで過ごし、その後は先生が作ってくれたハムサンドを二人で食べた。