home coming day

久しぶりの学校は、昔のままだった。合奏した講堂も、音楽室も、みんな懐かしい。10年経つとあまり集まらないだろうと思った同期は思ったよりも多く集まっていた。

楽器を組み立てていたら、肩を叩かれた。
「久しぶり、アヤ」
振り返ると、ダイスケがいた。
「久しぶり。ダイスケ」

何となくだけれども、ダイスケが来るとは思っていなかった。先生と意見が合わないところが色々あって、帰り道でいつも文句を言っていたから。

「アヤは今はB♭なんだ。さすがに個人でバスクラは持てないか」
「ダイスケは？どっか所属してたりすんの？」

近況報告をしながら、うまく話せているかどうか気になった。平静を装いながらも、心の中は穏やかでいられなかった。