君の軌跡
「…で、なんで俺がお前と
買い物に行かなきゃならんのだ。」
俺は今、桜井と夕飯の買い物に
来ている。
「硬いこと言わないの。
どうせ暇してるんだからイイじゃない。
えっと…これと…あれと…」
「ったく…ん?」
その時、俺の体は止まった。
「ねぇねぇ優也くん!
このお肉とこっちのお肉、
どっちが…優也くん?」
もはや桜井の声は俺には
届いていなかった。
俺の目に写っていたのは、
ある一人の女性だった。