君の軌跡
帰り道、俺は桜井と一緒に歩いていた。
「…えっと、なんで俺の家を?」
「え?あ、あの…ま、まだ話せないの…」
変な子だなぁ。
「っと。ここだけど?」
「ここ…やっぱり…」
「やっぱり?どういう事…ん?」
やけに玄関が騒がしいな。
「ただいま…ってなんだこれ!?」
そこには、誰かを歓迎するかのような
雰囲気が漂っていた。
「あら優也、おかえり!
澪ちゃん、いらっしゃい!」
「…へ?」
「朝に言ったでしょ?家族が増えるって。」
俺は桜井の方を向いた。
「よ、よろしくね。」
うっ…
「うそだろぉー!!!?」
高校2年の6月、
俺の家の家族が増えた。