君の軌跡
二人の家
「…んっ…朝か…」
いつもと変わらない朝日が
部屋に差す。
俺は大きく伸びをし、
ベッドから起き上がった。
いつものように歯を磨き、
いつものように顔を洗う。
そしていつものように…
「あ、優也くん。おはよ。」
「お、おう…」
い、いつもと違う…!
親父も母さんも何事もなかったかのように
振る舞っているが、限度があるぞ!
だが、こんなことで焦るな俺!
「か、母さん。俺の朝飯は…」
「あ、今持ってくね!」
すると桜井が朝飯を持って来た。
「さ、サンキュ…」
おおお落ち着けっ!
想定内だ。
とりあえず、冷静に。
俺は味噌汁を片手に
一口すすった。
「ん?母さん、味噌汁の味付け変えた?」
「あっそれ、私が作ったの。
…美味しくなかった?」
「…えっと…」
い、い、いつもと違ーう!!!