今宵、きみを想う
 君を想って、もう何年になるんだろうか。


 もう、すぐには分からない程長く、君を想っていた。


 手が届かなくて、でも届きそうで。


 ふわふわと君は俺の傍にいた。



 もう忘れたい、そう何度も思って、それでも忘れられなくて。



 願わくば君に伝えたいと、何度も想像した。



 その度に、今さら君に想いを伝えるなんて無理だと落ち込んで。



 それでも何度も夢想した。



 君を想って、ただ君だけを。



 何年も会っていないのに、君の存在が薄れていかなくて。



 そんな君と今日会えるかもしれないと思ったら、気がおかしくなりそうだった。



 ただ、視界に入れてほしい。



 君の瞳に―――



 俺は、もう友達のままで居たくない。
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