今宵、きみを想う
 そう思い始めてしまったらすっかり俺は落ち込んでしまった。


 同じクラスだってだけで運命かもしれないなんて思った俺は、そんなところでも単純で。


 ダメかもしれないと思ったら、どんどんマイナスな気持ちに駆られてしまった。


 止められなくて、落ち込んでいく俺。


 そんな時、俺にとって信じられない出来事が起きた。


 マネージャーだ。


 可愛いと定評のマネージャーが『彼氏のフリをして欲しい』と言い始めた。


 同じ部の奴が、ストーカーのように付きまとうんだと。


 部内で目立つらしい俺。


 その俺が彼氏だと言ったら、さすがに相手も引いてくれる気がする―――だから、フリでいいから傍にいて。


 そう言われて、ドキドキした。


 そんな風に頼られたことなんてなくて、舞い上がって。


 俺はあっさりとOKしたんだ。


 もう、君を諦めるいいチャンスなのかもしれないって、そう思った。
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