今宵、きみを想う
 そうやって始まった彼女との付き合い。

 
 ストーカーまがいの奴は俺と彼女の態度で諦めたのか、呆気なくカタが付いたのに……


 いつまでもフリを解消してくれと言われなくてずるずると傍にいた。


 いつの間にか、部内では最強カップルだなんて言われ始めて解消しようとも言えなかった。


 彼女を傷つけたくない。




 ―――いや。本当は嫌じゃなかったんだ、彼女の隣が。




 芽生えてしまった彼女への気持ちと。


 いつまでも目で追ってしまう君。


 どちらにもはっきりした答えが出なくて……彼女らを天秤にかけることなんて出来なくて、俺は目を背け続けた。
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