今宵、きみを想う
 部活を決めたのは、キミが居たからだった。


 キミと同じ中学だという友達が、カッコいい子がいるんだーっていうから見に行って。


 教室の外からこっそり見て、一目ぼれしてしまった。


 一目ぼれなんて……と馬鹿にしてたけど、呆気なく一目ぼれして。


 何食わぬ顔をして、彼が入るらしいクラブのマネージャーを希望した。


 マネージャーになったら、もっとキミのことを知ってもっと好きになった。


 いつか好きだって言えたらいいなーなんて、少女マンガみたく甘い妄想をしてたのに……


 まさか、クラブの違う男の子から告白されるなんて思ってなかった。


 時々そういうことはあったけど、断ったらみんな諦めてくれたのに。


 高校に入ったら男の子も変わるのか、彼は執拗に私にまとわりついてきた。


 アドレス教えてないのにメールが来たり。


 家の近くまでついて来られたり……



 不安になった私は、一つの賭けに出てみた。
 
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