今宵、きみを想う
 「俺は、友達の領域を侵したから。も う戻るつもりない。だから選べよ。


 俺の傍にいるか。


 俺とは二度と会わないか」




 ―――いつかは、なんて思いながら……


 このタイミングで言おうなんて、そこまで思ってなかった。


 ただ戻ってくるって分かってるのに、会わないで終わるなんて耐えられなくて。


 どちらかと言えば、もう自分の中でケリをつけて彼女以外に目を向けようって思ってたくらいだった。



 でも―――アイツを切なそうに見つめるのを見たら、イライラしてむしゃくしゃして―――耐えられなかった。


 全然、自分の中で決着なんてついてなかった。



 だから、それなら……
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