今宵、きみを想う
 どうせ潰す想いならとことん潰してしまえって思った。

 
 ぐちゃぐちゃに潰れて、もう友達なんて領域捨ててしまえと思った。


 そんな覚悟すら出来てなかったくせに、ほんの一瞬。


 君の目が、アイツを追った……


 ただそれだけで、俺はもう無茶苦茶に壊そうって決意した。


 君の瞳に、それで俺が映るなら。


 ―――いや、俺だけが映ることが出来るなら。


 もう何だってやってやろうって思った。


 痛いという君をわざと痛めつけて、俺だけがやっていいんだなんて無茶苦茶を言った。


 そんな態度、君に取る日が来るなんて思いもしなかった。


 大事で大切で、壊れそうな君。


 だけど走り出した気持ちが、衝動が止まらなくて―――


 ギリギリまで顔を寄せた。
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