今宵、きみを想う
 だけど、どうしても最後まできみだけだって思えなかった。

 
 それは幼い自分だからこそなのか。

 
 それともどちらへの想いも浅かったからなのか……


 今になっても出ない答えではあるけれど、俺はきっとどちらのこともその時その時、好きだったんだと思えるようになった。


 恋愛は一つじゃない。


 始まりも、多種多様で。


 それを一つに当てはめようとしすぎて苦しかった。


 でもそれらが重なって……俺は今、大切な人に出会えた。


 だから何一つ後悔はしてないんだ。


 ただ言えることは、彼女のことが好きだったことも紛れもない事実で。


 君が好きだったことも嘘偽りないってこと。
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