プラスチック


昼休みの屋上は、まだまだ寒い。

その場所で、私の頬には冷たいものが流れる。
みんなの前で笑うしかない私は、ここでしか涙を流せない。

一人っきりで涙を流し、グズッと鼻鳴らす。
寒さと涙で赤くなっている鼻を擦る。

「こんな所で泣いてたって、誰も気付いてくれないぜ」

突然かけられた声に、私はドキリとして急いで涙を拭った。
寒い冬の屋上に、自分以外に人がいるなんて思いもしなかった。


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