Z 0 0 Ⅱ
カラフルなキャンディーに目とヒレをつけたような魚。
赤青黄色に桃色、紫や黄緑、水玉に縞模様、中にはハートマークが鱗に浮かび上がっているものもいる。
薄布が風にたなびくように泳ぐ、半透明。
菱形や三角形や丸。
淡水なのに、鮮やかな橙色や黄色をした星形のヒトデがいる。
黄緑と桃色の巻き貝は、のろのろと流木の上を行進中だ。
底に沈んだまま目だけをきょろりと動かすナマズは、時々口を開けては、リング状の空気を吐き出している。
カエルはもっと奇妙だ。
体の三分の一が目玉のようなもの、真っ赤な目の黄色い体のもの、豹柄や縞柄のもの。
イモリだって、背中に恐竜のようなトゲが生えていたり、尻尾が三股だったり、とぐろを巻けるほど体が長かったりする。
ニャーフロッグと書かれた水槽を覗くと、猫のような目をしたトラ模様のカエルが、茅野の顔を見てまさに「にゃあ」と鳴き声を上げた。
もう一匹は隣の水槽でがうがうと吠えているイモリと、ガラス越しに喧嘩している。
声だけを聞けば、まるっきり猫と犬の喧嘩みたいだ。