ふたりの部屋
ハァハァと弾む2人分の荒い息づかいが狭い部屋中に響いていた。
明らかな事後の光景。
絡み合う指と舌が離れ、彼女はうっとりと目を開くと、汗ばんだ体を腕で持ち上げた。
粘着した皮膚が、名残を惜しむように吸い付き、べりっと剥がされる。
「いっぱいしちゃったね」
長い髪を揺らして、彼女が言う。
「うん」
それはきっと、今日だけじゃなくて。
2人が体を重ねた全ての日々のこと。
過ごした時間は決して長いものではなかったけれど、僕は僕なりに彼女を愛していた。
「このまま…こうしていたい…」
上下する胸に頭を乗せて、彼女が甘えた子猫みたいに頬をすりよせる。
「俺もだよ」
髪を撫で、同意してみせた言葉に彼女は寂しく笑い、体を起こした。
裸の体を隠しもせずに、ぐるりと部屋を見回す。
体の動きに一歩遅れて、白い乳房が揺れた。