続・星屑チョコレート【短】
ただいま、と心の中で唱える。


一人の部屋は居心地が良くて、実家からオフィスまでの距離はそれ程ある訳では無いけど、一人暮らしをして良かったと思っている。


ただ、誰もいない部屋は肌寒くて、せっかく車内のエアコンのお陰で温まっていた体がまた冷え始めた。


バッグを置くよりも先に、テーブルに置いていたリモコンのスイッチを入れる。


同時にエアコンが吐き出した風はひんやりと冷たくて、自然とさっきまでの温もりが恋しくなってしまった。


仕方なくコートを脱がないままバスルームに行き、湯舟に熱めのお湯を溜める。


しばらくしてお風呂が沸いた事を告げるメロディーが鳴り、携帯を持って脱衣所に向かった。


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