続・星屑チョコレート【短】
「俺も抜けようかな」


悪戯っぽく笑った坂口君に、ため息を返す。


「エースが抜けたんじゃ、部長から文句言われるわよ」


だけど、彼は何を言う訳でも無くあたしを見つめ、どこか意味深な表情を見せた。


「……何?」


首を傾げたあたしに、坂口君がフッと笑う。


「いや……。ただ、不戦敗が嫌なだけだよ」


「坂口!」


「飲み会、楽しみにしてる」


よくわからない言葉に眉を寄せたあたしを余所に、坂口君は同期の男性社員に呼ばれて踵を返した。


どうしてあたしに『楽しみにしてる』なんて言ったのかはともかく、さっきまで後ろにいた橋本君の事を思い出して振り返った。


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