続・星屑チョコレート【短】
「は……」


名前を呼ぼうとして思わず息を呑んだのは、橋本君の表情がいつもと違ったから。


不機嫌、とは少しだけ違う。


だけど、限りなくそれに近い表情をあらわにする橋本君は、何も言わずにあたしから視線を逸らしてしまった。


フロア内の喧騒(ケンソウ)が、やけに遠くから聞こえて来る。


背を向けた橋本君を呼び止めなかったのは、そうしてまで彼を引き留める用事が無かったからで。


他に理由なんて無い。


それなのに…


胸の奥で燻(クスブ)る罪悪感に気付いて、何とも言えない感情が芽生える。


それはまるであたしを責め立てるように、心の中に蔓延(ハビコ)っていった――…。


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