続・星屑チョコレート【短】
「ちょっと!」


何故かカッとして、頭で考えるよりも早く橋本君の手を掴んでいた。


「……何ですか?」


抑揚(ヨクヨウ)の見受けられない冷たい声に、心臓がドキリと跳ね上がった。


橋本君がこんな風に話した事が、今までに一度でもあっただろうか…。


抱いた疑問はすぐに動揺に変わって、どうすればいいのかわからなくなる。


それでも、どうしても訊いておきたい事があった。


「どうして無視するの?」


「……繭さんだって、いつも俺の事を無視するじゃないですか」


まるで拗ねた子供のような口調だけど、低い声音に目の前にいるのは“男性”なんだと思い知らされる。


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