続・星屑チョコレート【短】
「ずっと縛っておきたいと思う程の独占欲なんて、あなたにはわからないでしょう」


疑問形のようで、疑問符の付いていない台詞。


暗に、『あなたにわかるはずがない』と言われているのだと気付いて、言葉を失った。


「こんな気持ちでいる俺と、俺に気持ちのない繭さんじゃ、一緒にいるのは難しいですよね……」


橋本君は悲しげに微笑んだ後、あたしから視線を逸らした。


「すみません、同期の奴らを待たせてるのでもう行きます……」


フッと、振り解かれた手。


握っていた物を失(ナ)くしたそれは、空(クウ)を切って落ちる。


胸の奥は確かに痛むのに、素直に悲しむ事は出来なかった――…。


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