続・星屑チョコレート【短】

「ごめんなさい、一緒に抜けたい人がいるから」


坂口君の誘いをサラリと断って、橋本君の元へ向かう。


「……橋本君」


さすがに一際賑やかな輪の中に入る勇気は無くて、仕方なくその近くで控えめに声を掛ければ、橋本君が振り返った。


いつものようにヘラリと笑う事の無い彼との間に、距離を感じてしまう。


「どうしたんですか、浅木さん」


言いたい事はあるのに、突き放すように笑う橋本君を前にすると上手く言葉に出来なくて。


それでも何とか言葉を紡ごうとした唇は、声を出す前に閉じてしまって。


どうすればいいのかわからないまま視界に入って来たのは、橋本君の腕を掴む女性社員の姿だった。