続・星屑チョコレート【短】
橋本君に無視された時とは比べものにならない程に早く、頭にカッと血が上るのがわかった。


クールなんて言われていた時の自分(アタシ)は、きっともういないのだと気付く。


だって…


本当の自分(アタシ)はいつだって、橋本君の前では冷静ではいられなくなりそうなのだから…。


「……っ、いっ……!壱吾……」


震えそうになる声で紡いだ名前に、彼が目を大きく見開いた。


たった三文字に泣きたくなったのは、どうしてなのだろう。


せめてものプライドで何とかそれを堪え、俯きがちに自分の中の精一杯を言葉にする。


「一緒に、帰って……」


直後、周囲が水を打ったようにシンとなった。


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