続・星屑チョコレート【短】
室内の雰囲気が変わった事に心臓が跳ね、恐る恐る顔を上げた。


すると、眉を寄せて微笑んだ橋本君が、すぐに子どもみたいなあどけない表情で笑った。


「敵わないなぁ、もう」


呆れたような、だけどそれでいて幸せそうな笑顔が、視界を占める。


「そういう訳で、お先に失礼します」


今にも鼻歌を歌い出してしまいそうな橋本君は、一瞬で輪の中から抜け出してあたしの目の前に来た。


「やだっ、いっちー!」


「ちょっ、どういう事!?」


騒ぎ立てる周囲を余所に、橋本君が柔らかく微笑む。


「帰りましょ、繭さん」


何とも言えない気持ちになりながらも、一先ず小さく頷いた――…。


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