続・星屑チョコレート【短】
「……あの、繭さん」


半ばパニックになっていた営業部の面々を置き去りにし、橋本君と二人で飲み会を抜け出してから早1時間。


「何?」


来週から会社に行くのが不安で仕方ないあたしを余所に、彼はさっきからとにかく落ち着きが無い。


「えっと……とりあえず、コーヒーでも飲みますか?」


タクシーの運転手に橋本君の家の住所を告げたのは、自分(アタシ)。


今日は自分の意思で決めて、彼の家に足を踏み入れたのだ。


「それより、シャワー借りてもいい?」


来週の事はその時になってから考えようと開き直ったあたしは、何故かラグの上で正座している橋本君を見ながら首を傾げた。


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