続・星屑チョコレート【短】
「ねぇ、繭さん」


「……何よ?」


言いたい事は山程あるけど、きっと不満を口にした所で橋本君はヘラリと笑うだけ。


それをわかっているから、もう文句を紡ぐ気力も無い。


「俺ね、車を買ったら一番最初に繭さんに助手席に乗って貰いたいって、ずっと思ってたんです」


寒いけど、オフィスから1時間も掛かる場所だけど、明日は早番だけど。


「……そう」


こんな風に言われたら、悪い気はしないものだ。


途中で立ち寄った小料理屋の春野菜御膳は美味しかったから、寒さと寝不足くらいなら我慢してみようと考える。


明日1日頑張れば迎えるのは週末で、二日間の休日があるのだから。


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