続・星屑チョコレート【短】
「今日は付き合って1ヶ月の記念日だし、どうしても一緒に過ごしたかったんです」


恥ずかしげも無くそんな事を言った橋本君は、ニコニコと笑っている。


「……何がそんなに嬉しいんだか」


口を開けば辛辣(シンラツ)な言葉しか零せないあたしは、どう見たって可愛いげの無い女だろう。


「繭さんと一緒にいられるだけで嬉しいです」


それでも、橋本君はやっぱりヘラリと笑った。


どこか甘やかな雰囲気は、周りにちらほらといるカップル達に感化されたのか、それとも彼自身が纏う空気なのか。


一瞬で気付いた答えに心がくすぐったくなって、それを誤魔化すように温(ヌル)くなった缶コーヒーに口を付けた――…。


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